キュービクル式高圧受電設備とは

キュービクル式高圧受電設備の基礎知識

キュービクル式高圧受電設備(キュービクル)や、絶縁油・UGS・PAS・VCB・高圧ケーブルなどの 関連部品は10~30年の間隔で交換するのが一般的です。頻繁に取り替えるものではないので、 キュービクルや関連部品について詳しい方はあまり多くないのかもしれません。 以下では、キュービクルの交換・設置をお考えの担当者様向けにキュービクルの基礎情報をお伝 えします。新設される方も交換をされる方もぜひご一読ください。

キュービクルとは

キュービクル(高圧受電設備)とは、発電所から送られてくる高い電圧を、施設で使えるように変圧して受電する装置。商業施設や、店舗、工場、オフィスビルなどに設置されます。これらの施設で使用される電気の電圧と発電所から送られてくる電圧は異なるため、発電所から一次変電所、二時変電所、配電用変電所を経て送られてくる6,600Vの電気を、キュービクルによって100Vや200Vに変圧し使えるようにします。

キュービクルは、屋上や駐車場の隅に設置されていて、普段意識することのない設備ですが、発電所から変電所を通して送られてくる6,600ボルトの電気をそのまま敷地内に引き込む高圧受電契約に必須の重要な施設なのです。

高圧受電契約と低圧受電契約

電気を利用する契約方式には2つあり大きく分けて「高圧受電契約」と「低圧受電契約」があります。 電力会社が、発電所で作った電気は、50万ボルトを超える高圧送電線を通して、各地の変電所へ中継され、鉄道会社や工場、ビル、病院、一般家庭などそれぞれの用途に合わせた電圧に調整され利用者の元に休み無く送電されています。

一般家庭や、小規模事業所は、「低圧受電契約」に基づいて電力会社が管理しているトランスで100ボルトと200ボルトに変圧されて届けられます。

※トランス・・・  電柱に着いているポリバケツのようなもの

高圧受電契約と低圧受電契約

認定キュービクル

消防法上の技術基準を満たすキュービクルは認定キュービクルとして認定されます。社団法人日本電気協会が定めた「キュービクル式非常電源専用受電設備認定規程」が認定の基準となります。認定制度は、消防用設備等の非常電源を確実に確保することを目的として、旧自治省(現総務省)の要請により開始されました。

  • 認定キュービクルのメリット
  • JIS規格よりも厳しい条件をクリアした製品であり安全性が高い
  • 屋外に設置される際、建物から1m離れた場所にも設置できる(通常は3m)
  • 屋内で設置される場合は、不燃材で区画された部屋として扱われる
  • 消防法令における設備等技術基準に適合しているので、消防検査の簡素化が図れる

推奨キュービクル

社団法人日本電気協会が定めた推奨規程の基準を満たしたキュービクルです。推奨制度は、需要家受電設備の安全確保と電気事業者への波及事故防止を目的として開始されました。

  • 推奨キュービクルのメリット
  • 波及事故、感電死傷事故の予防になる
  • 屋外に設置される際、建物から1m離れた場所にも設置できる(通常は3m)
  • 屋内で設置される場合は、不燃材で区画された部屋として扱われる

認定キュービクル・推奨キュービクルの比較

確定キュービクル 推奨キュービクル
非常電源回路